2025/12/07 07:52

サングラスの最大の役割は、まぶしさを抑えることだけではなく、目を有害な紫外線から守ることにある。私たちの目は肌と同じように紫外線の影響を受けており、長時間紫外線にさらされることで、角膜や水晶体、網膜に少しずつダメージが蓄積されていく。
紫外線は主にUVAとUVBの二種類があり、UVAは一年中安定して降り注ぎ、目の奥深くまで到達して水晶体を老化させる。一方、UVBは夏場に特に強くなり、角膜や結膜に炎症を引き起こしやすい。こうした影響が長年にわたって積み重なると、白内障や翼状片(よくじょうへん)、さらには黄斑変性症といった視力低下につながる病気のリスクが高まるといわれている。
サングラスは、これらの紫外線をレンズでカットすることで、目に入る有害な光を大幅に減らす。特に「UVカット率99%以上」や「UV400」と表示されたレンズは、高い保護性能を持ち、日常生活の中でも効果的に目を守ることができる。色の濃さと紫外線カット効果は必ずしも比例しないため、見た目の濃さよりも機能表示を確認することが重要だ。
さらに、紫外線対策は視力の保護だけでなく、目の疲れや乾きの軽減にもつながる。強い光を浴び続けると目は常に緊張状態となり、まばたきの回数が減ることでドライアイを引き起こしやすくなる。サングラスをかけることで光の刺激が和らぎ、目の筋肉がリラックスしやすくなり、長時間の屋外活動でも快適に過ごせるようになる。
最近では、スポーツ用や運転用、日常使い用など、さまざまな用途に合わせたサングラスが開発されている。偏光レンズを使用したものは、路面や水面の反射光を抑え、視界をよりクリアに保つ効果がある。これにより、運転時の安全性が高まり、釣りやゴルフといったアウトドア活動でも目の負担を軽減できる。
紫外線は目に見えないため、その危険性を実感しにくい。しかし、日々の小さな積み重ねが、将来の視力の質を大きく左右する。帽子や日傘と同じように、サングラスを日常的な紫外線対策のひとつとして取り入れることは、健康的な視生活を守るための大切な習慣といえるだろう。
